logo

SAMPLE SITE

夕星(ゆうづつ)の雫落つる(みぎわ)

右京

 昇降機の扉が開く。ルームキーの部屋番号と廊下の案内表示を頼りにしているのだろうが、その足並みは止まることも速度が変わることもなく、初めて訪れたとは思えないほど順調だ。

 ルームキーはセキュリティを考慮した魔法仕掛け。一般的なカードと同サイズのそれを、扉の照合機にかざせば、照合機に組み込まれた術式とカード側のインクが反応して開く。目の前の扉も、確かに開いた。

 真っ暗な部屋だったが、人感センサーで自動的に灯りがつく。スイートらしい豪奢な内装だった。調度品はどれもサベネアの特産品として知られるもの。街並みこそ色鮮やかだが、内装の配色はやや控えめで、少しの時間で慣れて居心地よく過ごせることだろう。

「ラハ、先にシャワー浴びておいで」

「あ、ああ……」

 かけられた言葉は普通だ。しかし声色が普段よりもワントーン低い。それを気にしつつも、部屋の扉の傍で立ち尽くしているわけにもいかず、オレは脱衣所へ向かった。

 彼女のこの態度は、間違いなくオレのせいだ。

 

(中略)

 

 彼女もオレのカリが引っかかるのが気持ちいいのか、キスの合間に気持ちよさそうに喘ぐ。とろりと蕩けた顔に、思わず笑って彼女の腫れた赤い唇を舐めた。

「気持ちいいし……可愛いよ」

「それは言わないで、優しくしてあげられない」

 ……むしろそれは、男側の台詞では?

 ぢゅる、と舌を吸われて口が離れていく。すると身体もそのままそっと離れて行った。いや、彼女はオレをバスタブに座るよう指示して、自分はオレの足の間に座り込む。

 腹につくほど反り返った息子を見て、彼女はうっとりと微笑んだ。泡が付いたままの裏筋を、舌先で丹念に舐め上げていく。

「イきそうなときも教えて」

 そう告げて、彼女は本格的な奉仕を開始した。喉奥までしっかり飲み込んで、口をすぼめて咥内の粘膜や舌を使って扱いていく。頭を前後に動かしながらなのに、口の中の舌だけはまた別の動き方をするのだから、恐れ入る。

「はッ……ぅ…ん……!」

 いつもより的確に導こうとしている。思わず零れそうになる嬌声を、唇を噛んで耐えた。しかし、伸びてきた指先がオレの唇を撫でるので、声を抑えることは禁止らしい。

 情けないことにもうイきそうなんだ。なにより、彼女と会うのも久しぶりのことだった。ラヴィリンソスの研究員たちを手伝っていると聞いていたから、その合間にかけつけてくれたはずだ。嬉しさも申し訳なさもあるが、久しぶりの彼女の性技に早くも屈しそう。

「なあ…ッ…イ、きそう……!」

 素直に申告すれば、 ちゅうっと亀頭を強く吸われてしまい、大きく息を吐きながら下半身も開放させてしまった。彼女の口はそこから離れず、おそらく粘度も味も濃厚だろうそれを少しずつ飲み込んでいる。

 口の中を空にして、彼女はオレから離れる。しかしそれでも上向いたままの陰茎を見て、思った通りだと笑い、また口の中へと招き入れてしまう。

「あ、はッ……待てって……!」